高気密・高断熱住宅は毒ガス室か

住宅フェアで、 高気密・高断熱住宅を販売する営業マンのハナシ 「高気密の家に造り替えると、冷暖房費が安くなるので、 高気密の家を造ってはいかが・・・」と。   営業マンに質問をしてみた、 「私があなたの会社に高気密の住宅を造って貰ったとする、 完成した我が家が高気密かどうかをチェックするにはどうすればよいか?」 と尋ねた。   すると彼は、「簡単なことだ、測定会社に頼めば測ってくれる」と答えた、 なるほどその通りではあるが、家が完成した後で、 《さらに高いお金(数十万円)を払って気密度を測る人》が どれだけいるのだろうか。  高気密と低気密はどうして区別するのか、 マンションならまだ気密率もおよそ見当がつくし、 測定値を応用する方法も有るだろうが、木造2階建てならどうして測るのか、 また、その測定結果をどのように応用したら良いかは答えがなかった。  高気密になるほど、換気は欠かせない大切な条件だが、 ハナシはどうも抽象的で終わって、どうしたらよいかについては触れない。 昭和30年に 「量」を目的として住宅公団が設立され、団地が生まれた、 戦後の住宅不足をいかに早く埋めるかが最重要の課題であった。  量の不足が解消されるにつれて、目標は「質の向上」に移り、 続いて「快適性(アメニティー)」が流行語になった、 アメニティーがあふれ出してくると「健康」に移り、 健康住宅の条件は高気密、高断熱で、それこそが理想の家だと、 どのメーカーも健康を高らかにうたって、 住宅を造って売ってきたのである。 第一の例はハウス55の行われた後の昭和57年の軌道修正である、 ハウス55は米子市内にも時代の先取りをした住宅会社が数社あった。 大量生産、大量販売の技術を駆使して、良い家を造って、 全国にばらまけば、庶民は皆幸福になるという考えが基本にあった。  ところが、 ハウス55をやってみて気がついたのは、 家というのはまず気候風土があって、 それに、長い生活体験が加わって生まれてきた、 文化の遺産とでも言うべきものである、 だから、地方ごとに違うのが本来の姿なのだ。  それなのに、工業化で同じ家を大量に作って、 北海道から九州までばらまいたら、それは、 日本文化の破壊につながるのではないか、と言う反省がおこった。 従って、米子の数社もハウス55はすぐやめた、 しかし、今度は外断熱工法という 高気密・高断熱住宅を売り物にしている。  第二の反省は このたびの高気密の家である、 入れ物を作るという工学的な発想に立てば、 高気密・高断熱の家こそが、理想像であるに違いない、 省エネに役立つし、室内の快適性も自由にコントロールできるからだ。  だが、 主人公は生き物だと言う立場から考えれば、 高気密の部屋『ガス室と同じ危険性』がある  この点に気がつかなかった所に、大きな落とし穴が有ったのである。 木材からも、乾燥シイタケからもホルムアルデヒドは発生することを、 どの程度ご存知の方がいるだろうか。 問題は 高気密の家は換気装置をつけなければ、住めないと言うことである、 せっかく高い金を掛けて、高気密の家を造ったのに【常時換気】 しなければならないとすると、高気密の家はいったい何なのか?  省エネの立場から、健康増進の立場からどういうメリットがあるのか、 中気密の安い家ではダメなのか、 高気密の家というのは、高い家を売りつけるための、 『無責任な宣伝文句』ではないと言う、 誤解を受けないためにも明らかにしてほしい。 いま「健康住宅」と呼んでいるのは、 実は空気清浄住宅のことで、それを健康住宅と呼ぶのは 『不適切な名称』 ではないか、という疑問である。  健康に関する項目は、空気以外にもたくさんある、 カビ、ダニの問題もそうだし、音、光、熱については もっと大きな問題が残されている、 さらに、安全や日常災害の問題もあるし、 人間工学的な問題も含まれなくては片手落ちになろう。 それなのに、 空気清浄に関する問題だけをクリアしたら、 健康住宅というお墨付きの看板を貼るとしたら、 『誇大広告だ』というそしりを受けるかもしれない。

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